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MarriageTheoremのこと

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2011-10-27

_ 朝早く、投稿中だった論文の条件付採録通知が舞い込んできた。「条件付」といっても、英語の文法ミスを一つ、LaTeXのラベル参照ミスを一つ直すべしという軽微な内容なので、(多少時間が余分にかかるけれども)実質的には採録通知と考えていいだろう(と、強く願う)。おかげで朝から良い気分で仕事に取り掛かれた。

今回の論文は所謂「純粋数学」分野の論文なのだが、この論文について個人的に最も特筆すべきと思う点は、集合論っぽい題材ではないのに主定理の証明に超限帰納法を使っていることである。このところ趣味で勉強していた集合論の知識が思わぬ形で役に立ったということでかなり嬉しく思っている。というか、超限帰納法それ自体は集合論の予備知識を比較的必要としない汎用的な証明技法なのだから、数学科の標準的なカリキュラムに組み込むようにしたらいいんじゃないかと思うのだが、現状ではそうはなっていないらしい。(そういう事情もあり、今回の論文の題材に詳しくかつ超限帰納法を理解している査読者が見つかるんだろうかと心配していたのだが、その点は杞憂で済んだことになる。)いずれ私が「集合と位相」あたりの題材で講義をする機会があったら、そのときは超限帰納法も教えるようにしようと心に誓うのであった。

なお、私の論文にしては珍しく、今回の論文はレフェリーに極めて好評だったらしく、The paper is extremely well written, and I have no hesitation in recommending its appearance in the (論文誌の名前)などというお褒めの言葉をいただいた。褒められるのは大好きなので、レフェリーレポートを何度も読み返してニヤニヤしつつ、今後の研究に向けての鋭気を養っているところである。


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