_ プレプリント確認状況:arXiv:math 2月19日分まで、arXiv:quant-ph 5月31日分まで、IACR ePrint:2012/170まで
_ 先日、イギリスから情報セキュリティ系の某先生がいらした際に、「日本の数学者には数学以外の分野への応用について興味のない人たちもいるし、もっと悪いことに数学が応用されること自体を嫌う人たちさえいる」といった話をしたら、イギリスでも事情は似たようなものだ、というお返事をいただいた。上記の傾向は日本特有のものなのかと思っていたが、意外とそういうわけでもないのかもしれない。
_ ↑このようなことを書きつつ、今日Twitter経由で日本数学会による「数学教室への情報提供の依頼」なる文書の存在を知った。その中に以下のような項目がある。
(2)(「日本数学会会員の社会貢献活動 」を広報するための情報提供のお願い)
数学および数学者が社会で果たしている役割を、日本数学会が社会に対してもっと強くアピールして欲しいという声を受けて、2010年度からこの事業を始めました。皆様の数学教室の社会への活動の情報について以下を本会宛にお送りいただき、「日本数学会会員の社会貢献活動」として集約していくことにいたしました。いただいた情報のうち可能なものは広報し、また情報を日本数学会会員の間で共有して今後の社会貢献活動に生かせるようにしたいと存じます。(引用時後略)
こういった活動情報について日本数学会が集約、広報すること自体には賛同するしどんどん進めていただきたいと思うのだけれども、こういった依頼を「数学教室」向けの文書の中で行う点については勿体ないなぁと感じてしまう。数学者、特に若い世代の数学者が職を求めて所謂「数学科」以外の場所に行くことが増えている昨今、むしろ「数学教室」と呼ばれるような場所以外で仕事している数学者をターゲットとしてこのような情報提供の依頼をすることが重要なのではないか、と考える。
まぁ、数学教室への依頼文書といっても、こうして私のような「数学教室」以外に在籍する(どころか数学会会員ですらない)数学者がこの文書を目にすることもあるわけだからあまり細かいことを気にする必要もないかもしれないが、何となく、「数学教室」以外の数学者は蚊帳の外なのだろうか…と冷たい風が吹くのを感じたのであった。
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